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無言の初詣 [氏子地区の伝説]

天理市萱生町(旧山辺郡朝和村萱生)に伝わる伝説を紹介します。

 元旦の朝、萱生でも各戸家族そろって、必ず大和神社へ初詣をするが、途上で人に会っても、無言のままで行き過ぎる風習がある。
 これには秘められた哀話が残っている。
 昔、不作の年があって、庄屋が村を代表して領主に年貢の滅免方を訴願したが、怒りにふれて投獄されたまま新年を迎えた。
 それで村人たちは松飾りも賀詞もその年は取り止めた。それが村の風習となって、今日まで伝っているのだという。
 (飯田衛)
 しかし、現在は、挨拶もされているようですが、もし、無言の萱生の方とお会いしても、この習慣を思い出してください。

鳴動する天神山 [氏子地区の伝説]

鳴動する天神山 天理市萱生町(旧山辺郡朝和村萱生)
 萱生(かよう)町の中に小高い山がある。堂の山・天神山・空路宮(くろく)山ともいっている。

  「正月どんどこまで 空路宮山のすそまで お帰りお帰り」

と、子供がうたう空路宮山だといい、菅原道真を祭神とする天満宮を、この地にまつっている。

萱生町村社.jpg
写真をクリックすると拡大します。
 日露戦争当時、この山が夜明けに動鳴した。
 毎朝ごうごうとうなりを立てるので、騒ぎたてられて、遠くからも押しよせる群衆で境内は埋まり、屋台店まで出たこともあった。
 いまも不思議とされている。(飯田衛)

光を放つ霊木 [氏子地区の伝説]

天理市中山町(旧山辺郡朝和村中山)の伝説

 昔、行基菩薩が中山のある草庵で一夜をあかされたことがあった。
 その時、字長山<おさやま>の土中から光を放つものがある。
 行って見られると一つの朽木<くちき>であった。これは霊木であるといって、みずからこの木をもって観音菩薩の像を刻まれた。
 一宇(いちう)を建ててこれを安置し、中楽寺といった。
 天正四年(1576)、十市落城の際、兵火にかかって滅んだ。(天理市史による)


(参考) 行基(ぎょうき/ぎょうぎ、天智天皇7年(668年) - 天平21年(749年)は、奈良時代の社会事業に尽力した僧。

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